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photo zine『TSUYOI KIMOCHI』

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2020年製作。
A5サイズ、44ページ。

2020年。楽しい嬉しいワクワクすることより悲しい苦しいことの方が圧倒的に多くて、それでも時間は進んで気付けば5月。会いたい人たちに会えず、気休めのオンライン飲み会も実家暮らしにはあまり合わないもんだ。SNSを開けばどんな話題もコロナの話につながり見たくないものもたくさん目に入るので、最新モデルに買い換えたiPhoneも使う頻度が激減で宝の持ち腐れ。音楽もお酒も日常から遠のいた、写真を撮ることも。

そんな毎日でわたしができるのはコロナが終息した明るい未来を夢見ることじゃなくて、愛しい時間を思い出して強い気持ちを取り戻すことだった。大事な場所を守る為のクラウドファンディングや世間を明るくするためのアーティストの表現と比べればまー情けないもの、ただただ自分を取り戻すためのもの。
息が詰まりそうな毎日だけど、会わなくても話さなくても行かなくても、写真に写る好きな人たちや場所や空気に救われる。忘れたくないものが写ってるし、ちゃんと忘れてない。だから写真を撮ってる。
"TSUYOI KIMOCHI"は初めての個展から使い始めたワード(リスペクト小沢健二！)。写真を眺めながら、ああまさにこれだなと思ったからzineのタイトルにした。大きく深い川も冷たく強い風も強い気持ち強い愛でねじ伏せるしかない。
今のこの気持ちほんとだよね。
2020.5.9